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カリーナことマクシム・カリニチェンコの翻訳記事など
by JUCHI
maxkalina@excite.co.jp
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W杯後のインタビュー Kharkovにて
2006年7月7日
http://www.sport-express.ru/art.shtml?124046

「イタリア選手は準々決勝で汗も掻いていなかったんだ」

W杯を終えたスパルタクのマクシム・カリニチェンコは妻と一人娘と故郷のハリコフへ。7月8日までのバカンス中、Sport Expressとの電話インタビューに答えてくれた。



ーさて、地元の人は故郷のヒーローとご対面できたってわけだ?
K:うん。W杯の準々決勝で破れて、キエフの空港にドイツから降り立った瞬間、ものすごい人波だった。妻は車にまだいたから良かったけれど、ナショナルカラー、ナショナルフラッグの人々と喝采の嵐。シャンパンを頭からぶっかけられたりするし。

ーこんな歓迎を予想してた?
K:似たようなのは考えてたけど、もっとシンプルだと思ってた。以前より友人や親戚が、ウクライナ国民全員がサッカーに取り付かれてるよって言ってたんだ。普通の主婦から、ビジネスマンから…これでやっと分かったよ。ちょっと前まで、ハリコフじゃ僕に気づく人はあまりいなかったんだ。でも今じゃお店、カフェ、どこに行っても大騒ぎになってしまう。

ーウェイトレスの店員の女の子が首に抱きついてきたって聞いたけど?
K:そこまではいかないけど、本当にあちこちで歓声を聞くよ。ウクライナの選手は今全員こんな感じなんだと思う。

ーあんまり好ましいことじゃないのでは?
K;不平を言うつもりはない。今だからこその注目だね。賞賛の言葉も実は少し聞き飽きてしまった。キリのないインタビューに、サインに、叫び声…いっそどこかに雲隠れしたいよ。本当に。

ーW杯はまだまだ続いてるって感じ?
K:うん。出発の時とまったく違う興味の持たれ方だよ。色んなことが別の意味で時にややこしい。

ー今全てを終えて、どんな風に受け止めてる?
K:まるでおとぎ話みたい。個人的にも、チーム全体としても。

ードイツでは何が一番大変だった?
K:緊張との戦い。スタジアムについて、満員の観客席を見ると、自分が今とんでもない事に関わっている!と突然ふと感じるんだ。人生で初、もしかしたら最後になるかもしれない大イベントに。試合のたびにそういう気分を落ち着かせなきゃならなかった。

ーそれで、落ち着くことはできた?
K:もちろん。特別なことはしたとは思わないけど、なんとか平常心を保てたよ。

ーサウジアラビア戦で鮮烈なデビューをして以来、あの調子があのままのテンションで続くようにと思われてただろうけど、そのあとの2戦はそれほど突出した活躍はしなかった。でもイタリアとの準々決勝では、Leonid Buryak(前ウクライナ代表監督)の意見ではまた調子が戻ったと。どういう変化があったのか?
K:サウジアラビアとの試合では何かが足りない気がした。もちろん、チャンスに恵まれていたという点では僕の存在は効果的であったろうけど。でも本来の、力が均衡した相手とのレベルと比べると物足りないものがあって、チュニジアやスイスとの試合の方が難しかった。そういう観点から見ると、心理的に結果を求められていた責任感もあった。チュニジアにとっても絶対に負けられない試合だったし、スイスも同様に。
しかも僕はその2試合ではどうも動きが散漫としてた。両チームとも当たりがきつくて、攻め込むのにディフェンス陣も動員しないといけないくらいだった。例えばチュニジアの、アヤックスでプレイするトラベルシであり、スイスではレバークーゼンののバルネッタ、ドルトムントのデゲン…手強かったよ。残念なことに、切り崩す術を僕は得られなかった。ひたすらドリブル突破していくしかなかったんだ。

ー以前は代表の常連ではなかったし、当初のブロヒンの信頼もそれほど篤いわけでもなかった。内に秘めるものがあったのでは?それともW杯に参加できるだけで満足だったとか?
K:もし我慢していたとしてもね、サッカー選手である以上、誰が「銀行」という名のベンチににいつでも引き出せるように座っていたいと思う?W杯でプレーすることを諦めたわけではなかった。たとえ監督の構想外だとしても全ての試合にベストな状態で出れるようにしていた。

つづく
by maxkalina | 2006-08-28 01:14 | INTERVIEW SUMMER 06
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